うんこ漏れ初体験!
午前8時。梅雨時のどんよりとした湿気を帯びた空気が漂う朝だった。
みずきさんからいただいたお気に入りの円形マットレスの上では、今日もプーメリーがゆったりと回っている。その下から、いつもの声が響き始めた。
「んーーーー!!!! ンんんんんんんー!!」
全身に力を込め、顔を真っ赤にして、小さな命が懸命にいきんでいる。最後にオムツについたうんこを見たは昨晩の23時頃。実に9時間、一晩かけて溜め込んでいたものを、今まさに解き放とうとしているのだ。
やがて、静寂を破るように豪快な音が部屋に鳴り響いた。
「すっきりしたかな」と微笑ましく思いながらオムツを替えようと近づいた私の目に飛び込んできたのは、予想を遥かに超える光景だった。
なんと、むちむちとした小さな足の付け根から、決壊したダムのように中身が漏れ出しているではないか。マットレスにもかなりの量が染み出してしまっている。
恐る恐るオムツを開いてみると、あらまぁ、と声が漏れた。小さな体のどこにこれだけのものを隠し持っていたのかと思うほどの、圧倒的な量。しかし、ため息をつくよりも先に、私は安堵とともに声をかけていた。
「いっぱい出たね。よく頑張ったね、千景」
朝一番の大仕事は、汚れたマットレスの洗濯となった。じめじめとした空気に抗うように、お風呂場の浴室乾燥機をフル稼働させる。
その後、どんよりとした空模様を気にしながら、雨が降り出す前に今日も千景を連れていつもの散歩へと出かけた。
最近の千景は、本当にごくごくと力強い音を立てて母乳を飲むようになった。そして何より、以前のように吐き戻すことがほとんどなくなったのだ。
腕の中ですやすや眠る我が子を見つめながら、私はふと思う。
(ああ、この子の胃も、見えないところでちゃんと成長しているんだなぁ)
当たり前のようにおとずれる日々のささいな変化。その一つ一つがたまらなく愛おしく、母である私の胸を、今日も静かな感動で満たしていくのだった。