7月に入った頃。横浜で使うためのチャイルドシートを探していた。少しでも費用を抑えられたらと、フリマアプリの「メルカリ」で希望の品を見つけて購入ボタンを押した。
それが、こんなにも心温まる出会いへ繋がるなんて、想像もしていなかった。
購入後のメッセージで「最近、息子が生まれたので、ありがたく活用させていただきます」と何気なく伝えると、出品者のせれなさんから、思いがけないほど温かい返信が届いた。
「出産、誠におめでとうございます。私、子供を2人育てている身なので、お互いがんばりましょう」。
まだ首も座らない小さな命と向き合う日々。寝不足と疲労で無意識のうちに張り詰めていた心に、見ず知らずの「先輩ママ」からの言葉がじんわりと染み込んでいく。
商品が大きくいつもの無人発送機に入らなかったため、お父様が営業所まで持ち込んで発送してくださったという。さらにメッセージには、「また気持ち程度のおまけを入れさせてもらってます!何も言わずにお受け取りください!」と控えめに添えられていた。
数日後、汚れがつかないようにと、たっぷりのプチプチで丁寧に過剰梱包されたチャイルドシートが遼也の実家に届いた。
遼也ママが開封し、送ってくれた写真、そっと忍ばせられていた「おまけ」を手にして、私は思わず息を呑んだ。
封筒の中に入っていたのは、千円札。そこには『ミルク代に』という、彼女からの優しすぎるお心付けが込められていたのだ。
「ミルクのお心付けまでいただき本当にありがとうございます😭新生児育児で少し疲れていたところ、とっても感動し、また元気に頑張れそうです」。
込み上げるものを抑えない風で、そう返信すると、せれなさんは、新米ママの孤独に寄り添うようにこう言葉を紡いでくれた。
「新生児の時は寝不足や精神的にも来ますよね、、、すっごくわかります。」 「本当に辛い時とかは実家に預けて一日寝たりとか息抜きとかしたり、ミルクで済むなら夜中の対応を旦那と交代でやってました!」 「とにかく周りを頼りまくっちゃえばなんとかなります!笑」 「同じ子供を育てる親としてなくも様を心より応援致します」
画面の向こうにいるのは、同じように夜泣きに耐え、痛みや苦労を乗り越えてきたひとりの母親。彼女が送ってくれたのは、ただのチャイルドシートと千円札ではなく、命を育む同志への無償のエールだった。
この一連のやりとりを見せると、私の母である「さちゅ」も心を打たれ、思わずポロリと温かい涙をこぼした。
顔も本名も知らない、ネット上での一度きりの取引。けれど、あのチャイルドシートには、先輩ママから託された目に見えない愛情と励ましがたっぷりと詰まっている。これからあのシートに千景を乗せるたび、私はきっと、この日の画面越しの温もりを思い出すのだ。
※なお2000円の割引依頼は断られています
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